太陽光発電が電気をつくる仕組みを解説!必要な機器はなに?
そもそも「太陽光発電」ってなに?
太陽光発電システムとは、太陽電池を使って、太陽光(光エネルギー)から電気をつくる発電システムのことを指します。
太陽光から電気をつくりだす仕組み
太陽光から電気をつくりだす役割を果たしているのが「太陽電池(太陽光パネル)」です。
太陽電池(太陽光パネル)は、「電池」という言葉がついていますが、電気を蓄える機能はなく、「発電機」としての働きをもっています。
太陽光が太陽電池(太陽光パネル)の表面に当たると、「光起電力効果(光電効果)」と呼ばれる現象が起こり、電気が発生します。
太陽光発電システムは、この現象を利用し、電気をつくりだしているのです。
太陽電池の素材ごとに異なる発電効率
太陽電池(太陽光パネル)に太陽光が当たることで発電を行う太陽光発電システムですが、太陽電池に使われる素材にはいくつかの種類があります。そして、素材ごとに発電効率が異なります。
発電効率とは、同じ量の光エネルギーから、どのくらい電気を発電できるかを表した数値になります。
太陽電池の素材や製造方法ごとの発電効率は、以下でご紹介します。
●結晶シリコン系太陽電池:発電効率13~20%
国内シェアが8割近くあるのが、結晶シリコンを素材とした「結晶シリコン系太陽電池」です。なお、「結晶シリコン系太陽電池」には、「単結晶」「多結晶」「薄膜」の3つの製造方法があり、それぞれ発電効率が異なります。
- 単結晶シリコン:発電効率20%程度
- 多結晶シリコン:発電効率13~15%
- 薄膜シリコン:発電効率7~10%
●化合物系(CIS)太陽電池:発電効率8~12%
化合物系(CIS)は、「セレン」、「インジウム」「銅」の3種類の元素を組み合わせて作られた「化合物半導体」を素材として使用しています。結晶シリコン系にくらべると低コストで生産できることが特徴です。
●有機系太陽電池:発電効率10%程度
有機系太陽電池は、チオフェンやベンゼンといった有機化合物を素材とした太陽光パネルです。「軽い」、「薄い」、「折り曲げ自由」、「低コスト」といった特徴がありますが、まだまだ研究段階の太陽電池です。
※上記の発電効率はあくまでも目安です。メーカーやソーラーパネルごとに発電効率は異なります。
太陽光発電システムには何が必要?
ここからは、太陽光発電システムを稼働するために必要な機器をご紹介していきます。
太陽光発電システムには、
- 太陽電池(太陽光パネル)
- パワーコンディショナー
- 接続箱(接続ユニット)
- 分電盤(ブレーカー)
の4つが必ず必要になります。以下でひとつずつご説明していきます。
太陽電池(太陽光パネル)
まず、先ほどからご紹介している太陽電池が必要です。太陽電池は、「太陽光パネル」や「ソーラーパネル」、「太陽電池モジュール」など様々な呼ばれ方をしますが、基本的にどれも同じものを指しています。
なお、ソーラーパネル(太陽電池)は、構成する単位に応じて呼び方が変わります。
ソーラーパネルを構成する各単位は以下のとおりです。
●セル
ソーラーパネルを構成する最小単位を「セル」といいます。セル1枚の大きさは約10cm四方でできており、セルが集まると次でご紹介する「モジュール(一般的なソーラーパネル)」になります。
●モジュール
モジュールは、セルを集めて配列し繋げた状態のものを指します。一般的に太陽電池・ソーラーパネル・太陽光パネルなどと呼ばれる状態のものが「モジュール」です。この「モジュール」が集まると、次にご紹介する「アレイ」になります。
●アレイ
アレイは、課題などに設置した複数枚のモジュール(一般的なソーラーパネル)を、直列または並列でケーブルを接続した状態のものを指します。
パワーコンディショナー
パワーコンディショナーは、ソーラーパネルでつくった「直流」の電気を、家電などで利用できるように「交流」に変換するための機器です。
パワーコンディショナーで電気を直流から交流に変換する際、すこしだけ変換ロスが発生してしまいます。この変換ロス(変換効率)は、パワーコンディショナーのメーカーによっても若干異なりますが、大体95%前後となっています。
たとえば95%のパワーコンディショナーの場合、ソーラーパネルでつくった電気のうち、実際に使えるのは95%ということになります。
接続箱(接続ユニット)
接続箱(接続ユニット)は、太陽光パネル(ソーラーパネル)とパワーコンディショナーを繋ぐ役割を果たす機器で、複数の太陽光パネルで発電した電気をひとつに集約し、パワーコンディショナーに送る重要な役割を果たしています。
また、メーカーによっては接続箱とパワーコンディショナーを一体化した商品を販売しているケースもあります。
分電盤(ブレーカー)
分電盤(ブレーカー)は、太陽光発電で発電した電気を、家庭内の各部屋に割り振る役割を担ったり、余剰電力を売電する際の「逆潮流」を行ったりしている重要な機器です。
なお、太陽光発電システムを新たに設置する場合、パワーコンディショナーと接続できる分電盤に交換する必要があります。
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