「自家消費型」住宅用太陽光発電とは?メリット・デメリットを解説
「自家消費型」住宅用太陽光発電とは?
「自家消費型」住宅用太陽光発電とは、太陽光発電でつくった電気を、家庭内で使用することを指します。
「自家消費型」住宅用太陽光発電には、「全量自家消費」と「余剰売電」の2種類があります。
全量自家消費
全量自家消費とは、太陽光発電でつくった電気を“全て”自家消費に回すことを指します。ただし、全量自家消費を行う場合、家庭内で使いきれなかった「余剰電力」を無駄にしないために、家庭用蓄電池の導入が推奨されます。
太陽光発電を設置して11年目以降の、卒FIT(固定価格買取制度による10年間の売電期間が終了すること)を迎えた人が、この「全量自家消費」を選択するケースがあります。
余剰売電
余剰売電とは、太陽光発電でつくった電気をまずは家庭内で消費し、余った余剰電力を電力会社に売電することを指します。
住宅用太陽光発電を設置してから10年間は、固定価格買取制度(FIT)による売電を行うと思いますので、自動的にこの「余剰売電」になります。なお、FIT期間終了後(設置してから11年目以降)についても、電力会社と再契約を結ぶことで「余剰売電」を継続することも可能です。
卒FIT後の選択肢について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
>>住宅用太陽光売電の11年目以降も売電できる?卒FIT後の選択肢を解説|Decisive striker
「自家消費型」住宅用太陽光発電のメリット
ここからは、「自家消費型」住宅用太陽光発電のメリットについて解説していきます。
電気代を削減することができる
太陽光発電でつくった電気を自宅で消費することで、その分の電気は電力会社から購入する必要がなくなります。つまり、「電気代の削減」につながります。
どの程度の電気代削減効果が期待できるかは、設置する太陽光発電のシステム容量(規模)によっても異なりますが、太陽光発電が発電を行える晴れた日中の電気代については、大きく削減することが可能でしょう。
また、夜間や悪天候の日の電気代に関しては電力会社から電気を購入するしかありませんが、家庭用蓄電池を設置して余剰電力を貯めておくことで、夜間の電気代も節約することが可能です。
蓄電池を設置すれば「卒FIT」後のベストな選択肢に
先ほども少しお話しましたが、「自家消費型」住宅用太陽光発電にプラスして家庭用蓄電池を設置することで、経済的にも防災的にも「卒FIT」後のベストな選択肢になる可能性があります。
特に経済的なメリットに触れておくと、卒FIT後に再契約することができる売電単価の相場が「8~11円/kWh」であるのに対し、電気代は「24.06円/kWh」です。(東京電力東北エリア スタンダードの場合)
つまり、電力会社と再契約をして安い売電価格で売電を行うよりも、1kWhあたりの利益は節電のほうが大きくなるということです。
太陽光発電と蓄電池をセットで使うメリットについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。
>>災害時の非常用電源!太陽光発電と蓄電池をセットで使うメリット|Decisive striker
エネルギー価格の高騰にも対応できる
また、2022年4月現在、コロナや国際情勢の悪化によりエネルギー価格の高騰が続いています。実際に電気料金は14か月連続で値上がりしており、今後も値上がりし続けることが予想されます。
「自家消費型」住宅用太陽光発電で電気代を削減することで、こうしたエネルギー価格の高騰によるダメージを減らしていくことが可能です。
「自家消費型」住宅用太陽光発電のメリット・注意点
ここからは、「自家消費型」住宅用太陽光発電のデメリット・注意点についても解説していきます。
「全量自家消費」を実現するには蓄電池の購入が必要
メリットの部分にも記載しましたが、「全量自家消費」を実現するには家庭用蓄電池の購入が必要です。家庭用蓄電池は決して安い買い物ではないので、よく検討する必要があるでしょう。
2022年4月現在の家庭用蓄電池の相場は、本体+工事費込みで「約100~250万円」程度となっています。なお、蓄電池の導入には国や地方自治体からの補助金が交付されています。(「家庭用蓄電池DER補助金情報」や「V2H補助金」など)
こうした補助金を活用することで、蓄電池をお得に購入することができますので、ぜひ活用していきましょう。
太陽光発電のみの場合、停電対策となるのは晴れた日中のみ
メリットの部分で「停電対策としても有効」と書きましたが、「自家消費型」住宅用太陽光発電のみの場合、停電対策となるのは発電が行える晴れた日中のみとなります。
夜間や悪天候の日も電気を使用する場合は、家庭用蓄電池を購入して、太陽光発電でつくった電気のうち家庭内で使用しきれなかった「余剰電力」を蓄電池に貯めておく必要があります。
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