太陽光発電で家庭の電気代が安くなる!電気代が減る仕組みとは?
「最近電気代がどんどん高くなっている」「電気代をもっと安くできないだろうか」とお悩みの方は多いようです。そこでこの記事では、電気代を減らす有効な手段として太陽光発電をご紹介し、電気代の中身や、電気代が安くなる仕組みをご説明いたします。
そもそも太陽光発電とは?
太陽光発電システムとは、太陽電池を使って、太陽光(光エネルギー)から電気をつくる発電システムのことを指します。
太陽光発電について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
>>太陽光発電が電気をつくる仕組みを解説!必要な機器はなに?
>>節電?売電収入?設置は高価?太陽光発電のメリット・デメリット
上がり続ける電気代! その理由?
最近、電気代が上昇を続けており、家計に大きな打撃を与えています。
ここでは、近年の電気代の推移や、その理由をご説明いたします。
電気代の推移(2010~2022年度)
2010年からの電気代は、以下のように上昇傾向にあります。
- 家庭向け電気料金の平均単価
- 2010年:20.4円/kWh
- 2011年:21.3円/kWh
- 2012年:22.3円/kWh
- 2013年:24.3円/kWh
- 2014年:25.5円/kWh
- 2015年:24.2円/kWh
- 2016年:22.4円/kWh
- 2017年:23.7円/kWh
- 2018年:25.0円/kWh
- 2019年:24.8円/kWh
- 2020年:23.2円/kWh
(出典:資源エネルギー庁)
2021年の家庭向けの電気料金の平均は、2010年と比較すると約14%も上昇しました。さらに2022年になってからは全国で電気料金が大幅に値上げされたため、値上がりを実感した方も多いでしょう。
東京都を例にとると、2021年5月では平均的な家庭の電気料金は月6,822円だったのに対し、2022年5月には8,505円まで値上がりしています。
意外と知らない電気代の中身
誰もが関わりのある電気代ですが、その中身を詳しく知っている方は多くありません。
電気代は、以下のように構成されています。
●電気代の中身
- 基本料金
- 電力量料金
- ±燃料費調整額
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金
- 消費税
上記 1 ~ 5 の項目が合算され、電気料金として各家庭に請求されます。
このなかでも、最近の値上がりに特に影響しているのが、燃料価格の変動を反映した「燃料費調整額」や「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」です。
次の項目では、それぞれの値上がり理由について解説していきます。
電気代の値上がり理由①:燃料価格(燃料費調整額)の変動
輸入する燃料価格の変動により燃料費調整額が設定され、電気料金が上下する仕組みです。
日本では発電に必要なLNG(液化天然ガス)や原油などの半分以上を輸入に頼っているため、その価格変動に大きな影響を受けます。
東京電力の燃料費調整額を使用電力量260kWhで計算すると、2021年5月と2022年5月では約1,531円もの差が出ます。
このように、海外からの燃料価格の高騰が電気料金を上げる大きな要因となっているのです。
電気代の値上がり理由②:再エネ賦課金
太陽光などの再生可能エネルギーによって発電された電気は、電力会社が一定期間、一定の価格で買い取ることが国によって約束されています。再エネ賦課金とは、各家庭や企業で発電された電気を買い取るための費用を、消費者全体で負担する制度をもとに請求される金額です。
そして、太陽光発電の普及などにより、電力会社が買い取る電気量は年々増加しています。それにともない、再エネ賦課金も値上がりが続いているのが現状です。
電気使用量260kWhで計算した場合、2012年度は約57円の負担だった賦課金は、2022年5月からは897円と、10年間で実に約16倍にも膨れ上がっています。
以上のような理由で上がり続ける電気代は、残念ながら現状では値下がりする見込みはあまりありません。電気代を削減するためには、各家庭で「節電」や「太陽光発電の設置」といった対策を行うしかありません。
太陽光発電で電気代が減る(安くなる)仕組み
電気代を減らすためには、太陽光発電を利用するのが効果的です。
ここでは、太陽光発電で電気代が安くなる仕組みをご紹介いたします。
コスト無料の電気を自宅で発電できる
家庭用の太陽光発電システムは、以下のようにシステム容量の大きさによって設置費用が異なります。
●2022年太陽光発電システム設置費用相場
- 3kW:82.5万円
- 4kW:110万円
- 5kW:137.5万円
最初に費用をかけて設置すれば、あとは自然の太陽光を使って発電するため発電自体にコストはかかりません。
つくった電気は家庭内で消費し、余った電気(余剰電力)は電力会社に買い取ってもらえるので、ほとんどの家庭で設置費用の元は取れるでしょう。一般的にはおよそ10年で初期にかかる設備費用の元が取れると言われており、11年目からは完全に無料で電気を使うことが可能です。
2022年度の発電システム導入費用と売電価格について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
>>2022年の設置は得?損?太陽光発電の導入費用と売電価格
自家消費することで電力会社からの電気購入量を減らせる
発電した電気を自家消費した分、電力会社から電気購入量を減らすことができます。削減できた電力量の分だけ、電気代も安くなります。また、後でご紹介する蓄電池を利用すれば、電気購入量を完全にゼロにすることも夢ではありません。
さまざまな電力会社の値上げが止まらないなか、購入する電力が少ない、またはゼロとなる太陽光発電や蓄電池は、エコなだけでなく家計にとっても大きな助けになります。
電気代値上がりの原因となっている「再エネ賦課金」も削減可能!
前述したとおり、電気代値上がりの大きな部分を占めている再エネ賦課金は、電気の購入量に比例して増えていきます。自宅に設置した太陽光発電によって発電し、自家消費された電力に対しては、再エネ賦課金を支払う必要はありません。
つまり、電力会社から買う電力が少なければ、それだけ再エネ賦課金の支払いも少なくなります。
割高な昼間の電気使用量を削減できる
オール電化住宅では、昼間は電気代が高く、夜間は安くなる「オール電化プラン」で電力会社と契約されているご家庭がほとんどだと思います。
太陽光発電を設置することで、日中は電力会社の割高な電力に頼らなくても、太陽光発電の自家消費だけで大部分の電力を賄うことができます。
電気代を完全にゼロにするなら蓄電池が必須!
電気代をゼロに近づけるためには、太陽光発電の発電量が、家庭の電力消費量を上回らなければいけません。
しかし、太陽光発電は夜間の発電ができず、雨や曇りの日も発電量は大幅に落ちるなど自然環境に発電量が左右されるため、太陽光発電システムだけで電気代をゼロにすることは難しいのが実情です。
電気代を完全にゼロにしたいのであれば、電気を蓄えておくことができる「蓄電池」が必要です。太陽光発電の発電量の多いときに、余った電気を蓄電池に蓄えておけば、夜間や悪天候の日など発電が行えないときは蓄電池の電気を使うことが可能です。
電気代を完全にゼロにするのは難しくても、蓄電池があれば電気代の安い夜間に電力を蓄えておくこともできるため、電気代を削減する効果も期待できます。さらに蓄電池は電気の使えない災害時にも活躍するなど、メリットが多いのも特徴です。
太陽光発電と蓄電池をセットで使うメリットとデメリットについては、以下の記事をご覧ください。
>>災害時の非常用電源!太陽光発電と蓄電池をセットで使うメリット
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